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「インベスターM」投資ブログ

FX投資手法の解説、テクニカル分析「移動平均線」

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「移動平均線」について説明したいと思います。

テクニカル分析において最も基本的なものが移動平均線です。
「ゴールデンクロス」とか「デッドクロス」といった言葉を聞いたことはあるでしょうか? これらは移動平均線の状態を表す用語です。
今回は移動平均線の基本から解説していこうと思います。

移動平均で相場の流れをつかむ

移動平均線を使うことの一番のメリットは、上下する相場変動をならして見ることが出来るということです。
移動平均線を使用することで、相場が現在、どのような状況になっているか見極めることができます。
大きな流れを理解しているかどうかは、取引をしたときの勝率は大きく変わってきます。
移動平均線をよく見ることで相場の流れをつかむ。これが、重要なメリットです。

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移動平均線の仕組み

流れを把握するのに役立つ移動平均線ですが、仕組みはシンプルです。
過去の一定期間のレートを平均の数値を出しているだけです。

平均計算の仕方や、レートの取り方などによって種類があります。

例えば、日足の10日移動平均線であれば、過去10日のレートの終値を合計して10で割った数値を結んでいったラインになります。
25日移動平均線であれば、過去25日のデータで同様に平均値を出したものを結んでいきます。

この移動平均線を見るときには、まずは傾きに注目しましょう。
傾きが上向きということは、平均値が上がっていっているということなので全体としてのトレンドが上向きということです。
傾きが下に向いていたらその逆で、下降トレンドということです。

平均する期間について

移動平均線は平均する期間の長さを変えることで、相場の見え方も変わってきます。
期間が長ければ長いほど、より大きな流れがつかめるようになります。
その一方で、短期の動きには移動平均線があまり反応しないので、短期的な動きは見えにくくなるという性質もあります。

平均する期間が短いものは短期線、中くらいのものは中期線、長いものは長期線といった呼ばれ方をします。
期間による性質を頭に入れながら、短期線や中期線、長期線を併用しつつ分析をするのが一般的です。
この期間の移動平均線を使わないといけないという決まりはありませんが、一般的なものを並べておきます。
・短期線 … 5日、10日
・中期線 … 20日、25日、75日
・長期線 … 100日、200日

その他、分足であっても25分、75分などがメジャーと言えます。
移動平均線を使う場合は、意味があってメジャーなものを使うほうが良いと思います。
しかし、短期売買を考えている場合はその限りではありません。
5分、25分、100分でも、10分、50分、150分でも構いません。
1分足であれば5の倍数、5分足であれば6の倍数にすると、30分足にした場合などに同じラインが引けることになります。
ただし、短期線、中期線、長期線を組み合わせることが重要です。

なぜ3つの移動平均線を使うのか?

相場の種類には、一方向に動き続けるトレンド相場と、方向感がないレンジ相場があります。
短期的にレンジ相場に見えていても、長期線に傾きがあれば、トレンドは持続している可能性があります。
過去の経験からも、まだまだトレンドの方向に向かう可能性がありますので、レンジ相場中に順張りで入ることが出来ます。
このように、短期線で直近の平均値からの乖離、そして長期線でトレンドの方向を把握できるのです。

移動平均線の種類と計算方法

次に移動平均線の種類について見ていきましょう。
実は移動平均線には、平均計算の方法の違いによってかなりたくさんの種類があります。
今回はその中でも一般的とされる、単純移動平均線(SMA)、加重移動平均線(WMA)、修正移動平均線(MMA)、指数平滑移動平均線(EMA)について紹介します。

個々の数値の計算は自動的にやってくれるので計算式を覚える必要はありませんが、意味を理解して置くことは重要です。
※平均する期間=N、平均する期間の中でN本目のローソク足の終値=PNとします。

単純移動平均線(SMA)

SMA=(P1+P2+……+PN)÷N
単純移動平均は最もシンプルかつ基本となる平均計算で、ローソク足N本分の終値を単純に算術平均しています。
一番基本となる計算方法なのでこれを使っている人が最も多いでしょう。

加重移動平均線(WMA)

WMA={(1×P1)+(2×P2)+……+(N×PN)}÷(1+2+……+N)
加重移動平均は「現在に近い値のほうが重要」という考えで、単純に平均するのではなく新しい値に加重をかけて平均計算します。
平均する期間の初日を1とすると、2本目は2倍、3本目は3倍、……、最後はN倍の加重をかけて平均しています。そのため、単純移動平均に比べて直近の値に敏感に反応するようになります。

修正移動平均線(MMA)

現在のMMA={前回のMMA×(N-1)+PN}÷N
修正移動平均は、前回時点でののMMAの値と直近の終値を使って計算します。
つまり、N本の期間のうちN-1本分の値が前回のMMAの値とし、最後の1本分は直近の終値として平均計算します。
前回のMMAの値を繰り返し使いながら計算するので、現在のMMAの値の中にはN本目以前の終値もずっと含まれ続けることになります。結果的に単純移動平均線よりも滑らかなラインが描かれます。

指数平滑移動平均線(EMA)

現在のEMA={前回のEMA×(N-1)+PN×2}÷(N+1)
指数平滑移動平均は、修正移動平均と同じ考え方の平均計算方法ですが、直近の値(PN)に加重を加えて計算します。
具体的には、N本の期間のうちN-1本分の値は前回のEMAを使用して、最後の1本分は直近の終値を2倍の加重をかけて平均します。
直近の終値に加重をかけているため、これも修正移動平均線に比べて直近の値に敏感に反応することになります。

いっぱいある移動平均線、一体どれを使えばいいの?

移動平均線が増えたワケ
移動平均線はいろいろな種類があって、どれを使えばいいのか迷います。
なんでこんなにいろんな種類の移動平均線ができちゃったのかというと、基本となる単純移動平均線の直近の値に対する反応が弱くて、そのサインを待っていると遅すぎるという問題があったからです。
それをカバーするために、値動きにもっと敏感に反応して、より素早くトレンドの発生を捕捉する移動平均が考案されてきたのです。
そもそも、移動平均線には「直近の値動きに惑わされない」という目的あったはずですが、敏感に反応するようにするとこのメリットが薄れてしまうことになりました。
結論を言うと「どの種類の移動平均線を使うのが正しい」といったものは存在しません。
それぞれのメリットとデメリットを考慮したうえで、自分のトレード手法や、移動平均線を利用する目的に応じて使い分けていけばよいのです。

使い分けのコツ

とはいえ、移動平均線の使い方のコツがあるので紹介したいと思います。
目的をはっきりさせておけば、迷うことはありません。

現在のトレンドがどっちなのか見極めたいという目的の場合

この目的に合っているのは、直近の値動きに大きく惑わされない、ということが大事になってきます。
つまり単純移動平均線や修正移動平均線を使いましょう。

トレンドの発生を一早く捕捉したいという目的の場合

この目的のためには、直近の値動きに敏感に反応しなければ、トレンド発生の確認が遅くなりすぎてしまう可能性が高いですね。
そのため、加重移動平均線や指数平滑移動平均線を使うほうが合っているでしょう。
ただし注意する必要があります、敏感に反応するということはダマシも多くなるというデメリットもあります。
このデメリットをカバーするために、移動平均線を単独で使うのでなく、オシレーター系のテクニカルも併用するなど、ダマシを回避するといった工夫もしておいたほうがいいでしょう。

テクニカル分析というのは過去の値動きを分析したにすぎないので、これだけで未来の値動きを完全に予想することは、不可能です。
一つの平均線にこだわらず、柔軟に変えていって、それぞれのメリットを活かし、デメリットをカバーするようなトレードをしなければなりません。

この説明は、あなたのトレードの手法に影響を与えたでしょうか?

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